部屋から外に出れば、陽射しが溢れている。部屋の中では証明がつき、ディスプレイの光量は最大に設定されているにもかかわらず、外の陽気には太刀打ちすることができない。
人工照明のもとから、室外の明るさに出たときの眼に対する刺激は他に類を見ない。室内の近距離に調整された体には、数メートル先の空間を見ることで眼の周辺が引っ張られることを意識し、その先を見つめれば顔の上半分が引っ張られてしまう。
引っ張られる分だけ、これまで楽をしていたのだ。引っ張りが落ち着いた頃に室内に戻ってくれば新たな境地が始まる。しかしそれも、すぐに熱が引いていく。
使われなければ、どこまでも衰えていく。
涼しい室内で太陽を浴びることができれば良いのだが、それは熱も引き連れてくるのであり、なぜか十分な陽射しを得ることはとても難しい。透明に見えるガラス一枚に多大なる厚さを感じる瞬間である。
外も内も私が生活する空間である。今の内が基本の生活から、両方を股にかけた生活に移行したい。自由は行動することでしかえられないのだから。