ChatGPTへの雑感

昨年末(2022年末)から、ChatGPTが流行の兆しを見せてきた。Bingにも導入され、AIチャット的検索を行えるようになったらしい。ChatGPTは今試すことができて、Bingは申し込んだが順次利用できるようになるということであり、2週間ほどたつがまだ順番待ちである。

少し前からAI作成の画像が広まってきて、そこで文章としてのChatGPTが一般で利用できるようになった。これらのいわゆるAIの流れは数年前から何となく言われていたところではあるが、一般の利用者が触れる状態になったことで、認知度が一段と上がったようだ。

・著作権や管理者の問題

AIの作用部分がブラックボックスになると、権利関係がなかなか難しいように思う。

画像でも文章でも、元となる莫大なデータがあるわけで、そことの関係で著作権問題をクリアできるかは、今後の課題だろう。著作権の考え方自体に変更はないと思われるが、どのような基準を定立して考えていくか、難しい問題である。

個別に作品として生じれば、それを個別に考えることになり、これは従来の扱い方に近いといえる。類似性のような考え方も変わらない。以前から、模写やトレースなどの問題として考えられてきたことだ。それがAIによるものかどうかは、それほど大きな問題とは思えない。

もうひとつ考えられることは、AIによる自動化が生じれば、一時的なものとして、いわば使い捨て的な使い方ができることだ。Bingが行っているような、検索結果として莫大な回数の出力を行う場合、それをどのように処理するのかは難しい問題だ。その都度権利侵害を想定するのは現実的ではない。

仮に何らかの出力において、権利侵害があると考えられた場合に、それを指摘することは、従前の考え方として可能であろう。しかし、そのときに、どのように対処するか。莫大な回数の出力があれば、どれに比例してそのような問題となるケースも増えることになる。それらすべてにサービサー側が対応するのは、コストが大きすぎて、技術的業界として望ましくない。

そうかといって、処理に内容がブラックボックス化してしまえば、そこに対する評価というも難しい。学習過程によって、著作権上の問題をクリアしているとの評価は非常に困難であるように思われる。そもそも、元の文章や元の画像からの解離という概念を盛り込むのは、純粋に著作権のための処理に思える。そうすると、純粋な技術上の必要性のない処理を行う異なり無駄が生じる。

関連する問題として、そのような権利問題が生じたときに、やはり主体はサービサーになるであろう。利用者も、同等のリスクを負う可能性がある。サービサーを信頼したという形式をとらない限り、そう考えるしかない。そして、サービサーを信頼できるかは、先の話に戻ってしまうわけだ。

・提供コストの問題

AIサービスを提供するには、それだけのコストが必要になるとのことだ。複数回のサービスを提供するには、それだけでわずかなコスト増加が膨大な規模になる。

単純に考えれば、より計算量の必要なサービスを提供するわけで、それだけのバックボーン及び電力が必要になる。提供するのにそれだけコストが上乗せされるわけだ。

Microsoftがサービス提供に先行している状況で、Googleが後追いになっているが、やはり同様のサービスを提供することになるのだろう。関連企業の買収のニュースもある。これは避けられない競争になりそうだ。現状では、AIがどれほどの優位になるのかは明確には見えてこないところが気にはなるが、Googleがここを見過ごす可能性は低いように思われる。

思い返せば、インデックス型の検索サイトであったYahoo!に対して、検索で勝負をしたのがGoogleであったように思う。その後、Microsoftも検索を追いかけて、一時はGoogleの検索エンジンを利用していた時期も最近まであったように思う。今回は、逆になりGoogleがMicrosoftを追いかける形になっているということだ。

・AI作成に対する評価

AIにより画像や文章が作成できることにより、それに対する評価もまだ安定していない。画像に対するそれが先行したように思うが、際立って問題になったことは今のところ少ないように思う。これは翻って、画像に対する評価が全体的に低いからかもしれない。

文章については、文芸賞などで実際に問題になりつつあるようだ。小説レベルの長さの文章も、AIにより容易に作成できるようになった結果、投稿作品がAIにより作成されることは、今や現実の問題である。そして、先の話を組み合わせれば、どこからが盗作といえるのか、また、作成者はサービサーなのか利用者なのかという問題は出てくることになる。

いずれAIが作成するコンテンツは当たり前になることは避けられないと考えている。これは過渡期に問題なのかもしれないが、しかし常に付きまとうものである。

技術革新によって、コンテンツ作成が容易になることはこれまでにもあったのだから、対処ができないという話はない。AIが自律的なの知能を持たない限り、基本的にはこれまでの延長線上に議論は進められるのだろう。

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