腕時計のTPOとは

腕時計を付けずに家を出た。正確には、付けることを忘れて家を出た。外を出て歩いているときに、どうも腕が軽いと、そこにあるものがないことに気付いた。そのまま歩き続け、取りには戻らなかった。しかしながら不幸は重なるもので出先でどうしても腕時計を付けておきたかった。

手早く、出先でチープカシオのアナログ時計を買った。今回のモデルを買ったのは始めただが、他のチープカシオを買ったことはある。腕時計としての性能に不満はなく、十分実用に耐えるものだと思っている。

この腕時計をつけて思うことは、この軽さである。肌に触れているから、つけている感触はあるのだが、妙に軽いのである。メタルバンドはそれなりの重さがあるし、近年の流行は文字盤が大きめなことが多く、直径40mmなどは特別大きくないようである。

シンプルなG-SHOCKも軽さを感じるが、チープカシオの軽さは段違いである。そして、全体的な薄さから、つけたままでの作業でもじゃまにならないのである。ここがG-SHOCKとも異なるところだ。具体的には、つけたままででもノートパソコンでのキーボード作業の支障にならないのである。

メタルバンドや重めの時計では、どうしてもパソコン作業で煩わしい。そのために腕時計を外せば、どこかへ置いたままにしてしまう。

そして多少汚れても傷ついても気にならない。むしろ味が出るというところだ。非常に重宝している。家や職場を探せば数本のチープカシオがあることはわかっているが、正直どこにあるかわからないものもある。ときどき使っているのでちょっとした物陰や鞄に中にあったりするのだろう。

ところで、こう利便性だけで考えていると、腕時計で品定めする世界というものへの思いが欠けてしまう。対面すると、やはり目にはつくのだ。しかし、そこにあるべきものが何かは難しい。高級なものを付けているなと分かっても、それだけで良いものではないだろう。この辺りは、その世界の人にしかわからないのかもしれないが、時計だけが浮いていると、どうしても違和感が生じてしまう。逆に薄汚れていても、それが自然なこともあるだろう。全体の中の一つの要素、あるいは一つのアクセントであるということであるところだ。

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