本屋の店舗がなくなって、目的が明確な購入はAmazonでするようになってはや20年でしょうか。ほんとに書店は減りました。それでいて、書店の良さはAmazonには欠片も残っていません。インターネット物販が広まり始めた当時から、書店に代わって見せるかという取り組みはありましたが、結局特別なものは生まれなかったように思います。せいぜい最新刊がわかることと、売れている商品がわかることでしかありません。
書店の時代からも同じだったのかもしれませんが、インターネット上での書籍との出会い方は書店にまで至っていないと思っています。それぞれの単体の作品でいえば、情報が増えたことで出会う機会は増えたようには思いますが、書店を歩くあの密度は得難いものになりつつあります。膨大な新刊が発行される中で書店であっても売れ筋の商品しか置けないことはわかりますが、それでも物理的に置かれている書籍の量はばかにならないものがあるのです。
インターネット上で書籍をいかに見せるかという動きもありましたが、それも下火になっているように思います。それも書籍自体の注目度が下がったために思えます。今さら本なんてという空気は悲しいです。書店にいって感じるあの圧倒的情報量をインターネット上で得ることはなかなかできません。立ち読みはできませんが、書籍を手に取って内容をざっと眺めることもインターネットではできません。一部目次などを見られることもありますが、そこまでの手間は比べ物にならないぐらい重いです。
Amazonは、実店舗を補完してこそ最大の効果を得られます。書店がなくなっていくことを止めることはできませんが、一時期特定のジャンルの書籍を特定の本屋で買っていたら、その分野だけ異様に充実してきたときの思い出もありますから、これまでも書店へ足を運ぶことは続けなければいけないと思います。